西武新宿線 上井草駅 キッチン南海さん 

今日は中華にしようと思ってたんです。ほんとに。
でも、気がついたら「キッチン南海」の暖簾をくぐってました。

上井草の駅前を歩いていたら、ふと目に入った「キッチン南海」の緑色の看板、近くによったら少し昭和っぽい感じのショーウィンドウに子供のころよくみた食品サンプルが並んでいました。チキンカツと生姜焼き定食に、ツヤのあるカツカレー、お約束のエビフライ定食・・・。

気がついたらドアを開けていました。食欲って、視覚から始まるんだなあと、改めて実感、今日はそんな”予定外”の洋食ランチです。

ドアを開けると店内はカウンターだけ。10席ぐらいのこじんまりとした感じがなんともいい雰囲気。学生さん、おっちゃん、仕事帰りのスーツ姿——それぞれが黙々と、自分の好きな定食を楽しんでいるわけですよ。誰かと話すわけじゃないけれど、同じ空間にいるだけで、なんとなく安心感があるっていうか、ああ、一人飯って、こういうものだよなあって思ったのです。自分のペースで自分の好きなものをだれにも邪魔されることなく食べる、それだけで今日という一日がいい一日だったと思える・・ちょっといい日になるっていう感じです。

カウンターの中では、初老のマスターが黙々とフライパンを振っていました。無駄な動きひとつなく、淡々と、でもどこかあたたかい所作「いらっしゃい」とか「ありがとう」とか、言葉は少ないし、声も小さくて正直聞きとれないぐらいなのだけど、一皿ずつきちんと向き合ってくれている感じがしてこれまたいい感じ。

さて今日は何を食べようかなと、メニューを見ます。ショーウィンドウで見たチキンカツと生姜焼きライスが定食の一番上にあるじゃないですか。

今日はこれにしよう!ってすぐ決まりました。でもちょっとよく見てください。とにかくお値段が優しいんです!どのメニューも1000円しないんですよ。(あ、ちなみに今は2025年の7月です)

そして出てきたのがこちらです(。・ω・。)ノ♡

白いご飯がどっしりと、お味噌汁がきちんと。
そして主役は、チキンカツと生姜焼きがワンプレートに仲良く並んだ、夢のようなコンビ定食です。ちょっと写真だと陰に隠れているんだけど、ケチャップのスパゲティとパセリもいい感じでしょ。チキンカツもカリッと揚がっていて、ソースがじんわりと柔らかい肉に絡んで美味しかったですよ。

食べ終わって、味噌汁の湯気が消えるころ。お腹も心も、ちょっとほっとした自分に気づきます。一人でふらっと入って、一人で黙々と食べる。それだけなんですけれど自分のペースで好きなものを食べるって、やっぱりいい。中華を食べに行くはずだったのに、気がついたらチキンカツと生姜焼きで大満足、こんな予定変更も悪くないですよね。 今日もごちそうさまでした。

おまけ:

チキンカツと生姜焼きライスを注文して待っている間に、隣の学生さんが頼んだカツカレーがでてきました。黒くて、洋風で、見るからに“うまいやつ”です。帰ってから調べてみたら、この店は1966年創業の老舗洋食店の神保町にある『キッチン南海』さんから暖簾分けされたお店で、黒いカツカレーが有名なんだそうです。しかもなんと750円ですよ。 ああ、次はあれを頼んでみよう。

そんな風に思わせてくれる一人飯ってやっぱりいいですね。

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