西武新宿線 西武柳沢駅 じれいとさん

かつて暮らした街は少しずつ変わっていく。だから時々その駅で降りて歩いてみたりします。

変わっていることにびっくりしたり、変わらないことを嬉しがったり、それってかつて暮らした人だけがその街にたいしてもっている特権のような気がするんです。

西武柳沢は私にとってそんな街です。暮らしていたのはもう四半世紀も前になりますが、今も時々訪れてはぶらりと街を歩いたりしています。変化への驚きと変わらないことへのなつかしさを味わいながら。。。

今回は昔の自分が気づかなかったお店と出会うことができました。それが”きっちん&ばーじれいと”さん。西武柳沢北口を出て東伏見方向へ200mぐらい歩くとそのお店に出会うことができます。

「じれいと」──なんとも不思議な名前の小さな食堂です。昔ここにこんなお店あったっけ?なんて思いながら、ちょっと気まぐれに入ってみました。

中は、いい意味で雑多というか、少しごちゃごちゃしています。(ごめんなさい・・・)だけど、そのごちゃつきが妙に落ち着くんです。本や雑貨、お酒なんかも無造作に置かれていて、まるで常連さんの家におじゃましたような気分になります。

落ち着くんですよね・・・こういうお店って。木のぬくもり感もとっても嬉しくなります。きっと学生のころに出会っていたなら入り浸っちゃっていたかもしれませんね。

さて、何を今日は頼もうかな?と思いつつ黒板に手書きされえいるメニューを見ます・・・が、なんじゃこりゃ?あまりにも豊富すぎて。。。洋食屋さんだと思ったんだけど、お刺身だの煮物だとか。。。いやいや、でも今日は洋食にしようと邪気?を振り払って、あらためて手元のメニューを眺めます

ワンちゃんのメニューが可愛いのです。ページをめくると定番メニューがお出迎えしてくれます。

いろいろと悩んだ末に頼んだのがサラダとオムライス。

サラダは素朴だけどシャキッとしてて、ドレッシングの酸味がちょうどよくて、胃がやさしく開いていく感じ。でもローストビーフものっていたりして肉の旨みが野菜の爽やかさに重なって、ちゃんと一皿として満足感があります。ワインが飲みたくなるなぁ・・・


そしてオムライスは、ふんわり卵に包まれた懐かしい味。派手さはないけど、なんというか、時間がゆっくり巻き戻るような気持ちになります。厚みのある卵の中から現れるケチャップライスもしっかり味わいがあって、オムライスにかけられたデミグラスソースと混然一体となって深い味わいを口の中に運んできてくれます。コクが口の中にじんわりと広がって一口ごとに幸せが拡がっていく感じなんです。派手さはないかもしれないけど、こういう味こそが「また食べたい」って味なんだと思うんですよね。

あー幸せでした。

かつて暮らした街には少しずつ変わっていくものと今でも変わらないものがあって、何気なく自分に語りかけてきてくれたり優しく包み込んでくれたりします。時間は流れていくけど、自分の中の”好き”は以外と変わっていないものなんですね。今日はそんなことを再発見させてくれた一皿でした。美味しかったです、ご馳走様でした。

おまけ:

オムライスって懐かしい感じの味ですよね。日本生まれの和製洋食なんだそうです。卵で包むか乗せるか、ここは人によって違うと思いますが私は包む派です。ふわとろ系もいいけれど、包み込まれたあの安心感っていいじゃないですか。ちなみにオムライス誕生には諸説あるんですが、1925年ごろに大阪の北極星というお店で、体調の悪い常連客のために、胃にやさしいご飯と卵料理を合わせて提供したのが始まりという説もあるんだそうです。これがケチャップライスに薄焼き卵を巻いたスタイル。優しさに包まれているんですね。このほかにも東京・銀座の煉瓦亭で明治時代に生まれたとかいろいろな説があるります。

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