今日も上井草の駅で降りました。以前ご紹介した「キッチン南海」さんのすぐ隣に、少し上品なたたずまいの中華料理屋「嘉祥」さんがあります。実はこの間きた時から目をつけていたんですよね。
木の格子と落ち着いた照明に迎えられると、いわゆる”いつもの町中華”というよりも、ちょっと特別な日の晩ごはんに選びたくなる、そんな雰囲気のある素敵なお店なんです。

早速お店に入ると席に運ばれてきたのは、熱々の陶板に盛られた五目焼きそばです。
香ばしく揚げられた海老の赤、青菜の緑、木耳や筍の色合いが土ものの器に映えて、ひとつの絵のように美しい。。。。湯気を立てる餡は、ただ具材を包むだけではなく、それぞれの味わいを溶け合わせ、全体を見事な調和へと導いています。香ばしさと旨みの層が口いっぱいに広がり、思わず箸を置くのを忘れてしまうほどでした。いつもの町中華でいただく五目焼きそばとは一線を画したちょっと高級な中華料理屋さんでいただくような上品で味わい深い逸品でした。

そう、家で食べるごはんとも、外で食べるご馳走とも違う、そのちょうど真ん中の心地よさって感じです。
上井草の夜に、こんな一皿に出会えたことはうれしい発見でした。ちなみに「嘉祥」とは、幸福をもたらすしるしのことだそうです。なるほど、この一軒に似合う名前だと思いました。
おまけ: 五目焼きそばって、見た目も華やかですよね。実は『五目』っていうのは“5種類の具材”という意味なんですが、お店によっては6〜7種類入っていても『五目』と呼ばれるんですよ。
中国では彩りとバランスを重視するのがポイントで、緑・赤・黄・白・黒の五色を揃えると縁起もいいのだそうです。ちなみに五目焼きそばの餡かけスタイルは、江戸時代末期に清朝料理が伝わってきたことに由来していて、麺を冷めにくくする工夫でもあるのだそうです。具材も地域や店によって違いがあって、沿岸部の店は海老やイカが入ることが多く、内陸部や家庭的な店では豚肉と野菜中心です。季節の野菜を加えると、その店ならではの味になります。嘉祥さんは豚肉と野菜中心でした。五目焼きそばって、美味しくって栄養バランスも最高、まさに昔から中華料理の定食を象徴するメニューですよね。
本当に美味しかったです・・・ごちそうさまでした!!